NY州ウエストチェスターの賃貸:洪水履歴開示書について

米国は6月から11月がハリケーンシーズンですが、温暖化などによる異常気象の影響で豪雨による被害が増えています。2021年のハリケーン イーダ(Hurricane Ida)の甚大な被害を受け、NY州ウエストチェスター郡では賃貸家主に洪水履歴開示書(Flood History Disclosure Form)の提示が求められるようになりました。この開示書には物件が特定洪水危険地域に含まれるかどうか、過去10年間の洪水被害状況及び対応された解決策や設備などが記載されます。

洪水履歴開示書が将来の洪水や浸水の可能性を特定したり保証するものではありませんが、借り手にとって注意喚起になることは確かです。開示書に駐車スペースの浸水被害が記載されていれば、豪雨警報が出た時の対応策を家主に確認しておくと安心です。浸水が想定される場所の床には物を直置きしないのが無難ですし、戸建てはガレージ前や物件周りの排水口・排水溝に落ち葉やゴミが溜まっていないことを確認し、流れが悪ければ家主に相談すると良いでしょう。これらを含め、記載の事実をどう判断するかは不動産エージェントや保険エージェントに相談されることをお勧め致します。

なお、NY州ではウエストチェスター郡以外の地域でも賃貸契約時に物件の洪水履歴開示が推奨されています。物件を選ぶ際に懸念があれば、エージェントを通して確認されると良いでしょう。

既にお住まいの方も、物件に自然災害の可能性がないとは言い切れません。最低限の防災用品を揃えておくことは大事ですし、ハリケーンシーズンに備え、今一度、お住まいとその周辺の環境を確認しておきたいものです。


記事の筆者:リロ・リダック WCオフィス 

中村紘子

滞米30余年、不動産エージェント歴は18年になります。ウエストチェスター全域に精通し、さまざまな地域で賃貸と売買のご案内に携わって参りました。

ニューヨークでの子育てを通してナーサリー、現地校、補習授業校、米国大学の教育システムを体験しておりますので、不動産はもちろんのこと、生活や教育についてもお気軽にお問い合わせくださいませ。ご希望にかなうお住まい探しを実現させていただきます。

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