賃貸アパートのレント設定トレンド

 アパート探し、契約更新時に『昨日問い合わせた時と今日問い合わせた時のレント提示額が違う』という経験をされたことはありませんか?提示額が低くなれば嬉しいものですが、高くなった場合は納得し難いですね。

これは現在ほぼ全ての大手不動産デベロッパー系アパートではレント設定に航空会社が利用しているものと同様のダイナミック・プライシング(変動料金設定)機能付きレベニュー・マネジメントシステムを採用しているからです。

マンハッタンの摩天楼が一望できるニュージャージーの人気エリア、エッジウォーター、ウェストニューヨークやフォートリーにあるほぼ全ての大手賃貸アパートのレントはこのレベニューマネジメント・システムにより設定されています。全米主要400エリア、1,300万を超える部屋の間取詳細からレントまでのデータをリファレンスデータとして利用している企業もあります。またエリアによっては30年間のデータも活用しているそうです。

これに変動するマクロ、ミクロの経済指標、季節変動、日々の問い合わせ数、契約申請、希望リース開始日、期間等々のデータを各部屋の間取りとかけ合わせて旬の部屋とそうで無い部屋で異なったレントが設定できるのです。さらに戦略的な賃料最適化のため、空室期間、貸出タイミングへの調整も入り、ある程度の空室数が維持されてしまうこともあります。

金利高止まり、ニュージャージー賃貸アパート需要が供給を上回っていますが、景気への不透明感も高まっています。このような複雑な市場環境下、大手不動産デベロッパー系列アパートでは最新のデータサイエンスとAIを駆使したダイナミック・プライシング・システムによるレント、契約条件設定依存がさらに高まっていくでしょう。

リロ・リダック ニュージャージーオフィス 


この記事の筆者


Relo Redac, Inc.(リダック)は企業・人・資産のリロケーションを目指し、1986年にNYで設立されました。2005年にリログループ(東証プライム上場)の会社になり、以来、米国  に進出される日本企業、駐在員、投資家のみなさまのニーズにお応えするため、住宅の斡旋、オフィス設営や不動産投資、コンサルティング等の不動産総合サービスを提供しています。www.reloredac.com

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