ニューヨークの賃貸住宅市場では今、“ホテルライクな暮らし”を提供する物件が注目を集めています。パンデミックを経て「家で過ごす時間の質」が見直されるようになり、居住空間に求める価値が変化してきました。
中でも人気なのが、ラウンジ・ジム・ルーフデッキといった定番アメニティに加えて、コンシェルジュサービスやハウスキーピング、コーワーキングスペース、さらにはペットスパやゴルフシミュレーターまで備えた“フルサービス型の賃貸住宅”です。
たとえば、ブルックリンの新築レジデンス「The Axel」では、入居者専用のコーヒーバーやイベントスペースを設け、住民同士の交流を促進。ハドソンヤードにある「The Set」では、まるで高級ホテルのような内装とルームサービスのような利便性を両立させています。
このような「ホテルライク」物件の台頭には、リモートワークの定着と、Z世代・ミレニアル層の価値観の変化が大きく影響しています。「広さ」よりも「快適さ」や「共用スペースの充実」に魅力を感じる傾向が強まっており、居住空間に“体験価値”を求める動きが加速しています。
こうしたトレンドは賃貸住宅にも新たな競争軸をもたらしています。単に「立地」や「間取り」だけでなく、「共用設備の質」や「サービスの充実度」が選ばれる理由になりつつあるのです。
もちろん、その分賃料も高めに設定される傾向はありますが、「家でもワークアウトしたい」「気軽に人を招きたい」「面倒な掃除をプロに任せたい」といった現代的なニーズに応える設備・サービスは、価格以上の満足感を提供しています。
今後は、こうした付加価値を備えた物件が、ニューヨークでの新しい“スタンダード”になるかもしれません。
この記事の筆者
Relo Redac, Inc.(リダック)は企業・人・資産のリロケーションを目指し、1986年にNYで設立されました。2005年にリログループ(東証プライム上場)の会社になり、以来、米国 に進出される日本企業、駐在員、投資家のみなさまのニーズにお応えするため、住宅の斡旋、オフィス設営や不動産投資、コンサルティング等の不動産総合サービスを提供しています。www.reloredac.com
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